短歌‐回文



よるかわれすいふんせかいないていていないかせんふいすれわかるよ
夜が割れ随分世界泣いていて 居ないか 全部、いずれ分かるよ 2023/10/16

ねたいたみみうしなおうとまとへりへとまとうおなしうみみたいたね
寝た痛み見失おうと窓べりへ 戸惑う 同じ海みたいだね 2021/3/15

てつかすてきいてますからふたりきりたふらかすまていきてすかつて
手付かずで聞いてますから 二人きり 誑かすまで息で縋って 2021/3/14

このひたけしはこいてしたひとつすつとひたしていこはしけたひのこ
この日だけ詩は恋でした 一つずつ飛び出して以後弾けた火の粉 2023/4/23

はかれたとそうもらすひのねむいこいむねのひすらもうそとたれかは
剥がれたと、そう漏らす日の眠い恋 胸の火すらも嘘と誰かは 2015/12/31

よのむうもるなにかいはのかへらすらへかのはいかになるもうむのよ
世の無有もルナに海馬のカペラすらベガの配下になる蒙霧の夜 2018/10/29

よていならわさとつふしたきすからかすきたしふつとさわらないてよ
予定ならわざと潰した キスからが好きだし ふっと触らないでよ 2019/4/15

とおのくはくちへたなあいないていていないあなたへちくはくのおと
遠のくは口下手な愛 泣いていていないあなたへちぐはぐの音 2020/2/22

くらんてるおかけたきいていたくなくたいていきたけかおるてんらく
眩んでるおかげだ「聞いて」痛くなく抱いて息だけ香る転落 2023/5/7

かんけいしたたたつしてたはすたつたすはたてしつたたたしいけんか
関係しただ達してたはずだった 素肌で知った正しい喧嘩 2019/5/2

かんしなくよむはんせんかいかしたしかいかんせんはむよくなしんか
監視なく読む反戦歌 生かした詩 海岸線は無欲な進化 2023/11/13

ためしはきこうかなくつかすきたつたきすかつくなかうこきはしめた
試し履き 豪華な靴が好きだった 傷が付く中動き始めた 2024/5/28

るすにてをつないたりしていきもしもきいてしりたいなつをてにする
留守に手を繋いだりして 息も詩も聴いて知りたい 夏を手にする 2023/12/22

ひたすらなはとるとえてんそれいかいれそんてえとるとはならすたひ
ひたすらなバトルとエデンそれ以外レゾンデートルとはならず、旅 2018/10/17

そうたいていつそうたつてしまいたいましてつたうそついていたうそ
壮大でいっそ歌ってしまいたい 増してった嘘 吐いていた嘘 2020/5/27

たつかわてすきのいいかたなあなあなあなたかいいのきすてわかつた
発つ側で「好き」の言い方なあなあな貴方が良いの キスで分かった 2019/10/28

きいたしかいつしんかちをみいたしたいみをちかんしついかしたいき
聞いた詩が一新 価値を見出した 意味を置換し追加した息 2023/1/28

たひのなかあまくならうはいこくのくこいはうらなくまあかなのひた
旅の中 甘く習うは異国の句 恋は裏無く真赤な野火だ 2018/9/4

よりきらうのりきれそうたゆたのてのたゆたうそれきりのうらきりよ
より嫌う「乗り切れそうだ」ユダの手の揺蕩うそれきりの裏切りよ 2023/7/23

たんさきをきとうこゆめかしたたつたたしかめゆこうときをきさんた
探査機を起動後夢が滴った 確かめ行こう 時を刻んだ 2023/6/25

とひたしたいみかたなあさすはるたるはすさあなたかみいたしたひと
飛び出した意味過多な朝 昴たる筈さ貴方が見出した人 2020/6/7

けいてんこひとくぬるいひのこるよるこのひいるぬくとひこんていけ
慶典後ひどくぬるい陽残る夜 このヒール脱ぐ 飛び込んで行け 2023/3/2

しんしとうあてかうこいへことうとうとこへいこうかてあうとしんし
新始動 宛がう恋へ鼓動問う どこへ行こうが出逢うと信じ 2023/6/8

たまるなかせかしはしけたまいにちにいまたけしはしかせかなるまた
黙る中 急かし弾けた毎日に今だけしばし風が鳴る また 2019/6/9

そうなんたいたむそのてていはらからはいててのそむたいたんなうそ
「そうなんだ」痛むその手で茨から這い出て臨む大胆な嘘 2019/6/9

いろのはのるうるよむこえほおもめもおほえこむよるうるのはのろい
いろの場のルール読む声 ?も目も覚え込む夜売るのは呪い 2019/12/1

むかふをりきみのめゆらすひかりありかひすらゆめのみきりをふかむ
向かふ折君の目揺らす光あり 蚊火すら夢のみぎりを深む 2019/7/19

くゆひとをみうしなうきろしまかせかましろきうなしうみをとひゆく
悔ゆ 人を見失う帰路 島風が〈真白きうなじ〉海を飛び行く 2019/2/11

かびんさのましたせかいていきたのたきいていかせたしまのさんびか
過敏さの増した世界で生きたのだ 聞いて逝かせた島の賛美歌 2018/11/21

たれかこいもおてるはすくついてきていつくすはるておもいこかれた
[誰か来い][モーテルはすぐ][付いてきて]居着く昴で思い焦がれた 2018/9/8

たいてきはきつかないならおなしたしなおらないなかつきはきていた
抱いて牙 気付かないなら同じだし直らない中ツギハギで居た 2020/3/8

てんらくしうつりかひくしたたしはしたたしくひかりつうしくらんて
転落死 移り香低し ただ暫し 正しく光り通じ眩んで 2019/7/28

よみたいのそうたんしてねふゆはらはゆふねてしんたうそのいたみよ
「読みたいの、相談してね」冬薔薇は湯船で死んだ 嘘の痛みよ 2020/5/31

とおのくとうろうろたつたひとりきりとひたつたろうろうとくのおと
遠のくとうろうろ たった一人きり飛び立つだろう 朗読の音 2023/10/16

よるなくしまやかしのこいかちとるとちかいこのしかやましくなるよ
夜失くし まやかしの恋勝ち取ると誓い、この詩が疚しくなるよ 2023/7/26

とけたきていきかいなくしひさえきえさひしくないかきいてきたけと
解けた気で生き甲斐失くし火さえ消え 寂しくないか聞いてきたけど 2023/2/14

うそかありたからかなしいあおいといおあいしなからかたりあかそう
嘘があり、だから悲しい青い問い お会いしながら語り明かそう 2023/2/1

うそしのくふかふかうみのみなもにもなみのみうかふかふくのしそう
嘘凌ぐ ぷかぷか海の水面にも波のみ浮かぶ 禍福の思想 2022/6/6

きりなくしたしとけかのひふゆはらはゆふひのかけとしたしくなりき
霧無くしたし 棘が伸び冬薔薇は夕陽の影と親しくなりき 2022/3/21

うろたえすくゆるたいかはとこからかことはかいたるゆくすえたろう
狼狽えず燻る大河はどこからが言葉が至る行く末だろう 2020/7/14

のるすつといつていてみをにないあいなにをみていてついとつするの
乗る ずっと一定で身を担い合い 何を見ていて追突するの? 2020/12/12

とけたかりふれていたいなかさはなはさかないたいてれふりかたけと
溶けたがり触れていたいな 風花は咲かない 抱いてレプリカだけど 2021/2/21

しいているたけてつよいなふあんかんあふないよつてけたるいていし
強いているだけで強いな不安感 危ないよって気怠い停止 2021/3/26

よのもたえちかとうこいにことはとはとこにいこうとかちえたものよ
夜の悶え 血が問う恋に 「言葉とはどこに行こうと勝ち得たものよ」 2019/2/23

しすらあのみきてににきりつうしんしうつりきににてきみのあらすし
死すらあの右手に握り通信士 移り気に似て君のあらすじ 2023/7/24

ふつきのかことはにかおるほのかなかのほるおかにはとこかのきつふ
文月の香 言葉に香る仄かな香 登る丘には何処かの切符 2019/3/13

よていならはくろここたけささやきやささけたこころくはらないてよ
予定なら暴露「ここだけ」 囁きや捧げた心 配らないでよ 2023/8/6

さかしたすかけらたついにきさみこみさきにいつたらけかすたしかさ
探し出す欠片だ ついに刻み込み先に言ったら汚す、確かさ 2023/11/13

かんきのしたわむほしすらまたたいたたまらすしほむわたしのきんか
歓喜の詩 撓む星すら瞬いた たまらず凋む私の銀河 2019/4/14

さいなしにそうもつとひけはあとことあはけひとつもうそにしないさ
差異なしに、そう、もっと弾け! ハートごと暴け ひとつも嘘にしないさ 2024/3/24

さすかさをせかみなみたつおととしととおつたみなみかせをさかすさ
差す傘をせがみ波立つ音と詩と 通った南風を探すさ 2024/3/24

とけたきすはしるきみよりとひたしたひとりよみきるしはすきたけと
溶けた傷 走る君より飛び出した 一人読み切る詩は好きだけど 2023/12/26

さかすしのねむるしえすたいきてきてきいたすえしるむねのしすけさ
探す詩の眠るシエスタ生きてきて聞いた末知る胸の静けさ 2023/7/1

かれそうなさいていおへらちこくなくこちらへおいていさなうそれか
嗄れそうな最低オペラ「遅刻なくこちらへおいで」誘うそれが 2023/3/9

いいかけたみきりはつしんしさとちとさしんしつはりきみたけかいい
言いかけた見切り発進 時差と血と左心室 針 「君だけが良い」 2023/10/16

とおいなみとおいかなたていきようよきいてたなかいおとみないおと
遠い波 遠い彼方で生きようよ 聞いてた長い音 見ない音 2024/7/9

あなたしかいないかいさしみさためたさみしさいかいないかしたなあ
あなたしかいない 開鎖し見定めた 寂しさ以外ない歌詞だなあ 2024/5/5

ゆひぬらしはなのにくなんはやくゆくやはんなくにのなはしらぬひゆ
指濡らし花野に苦難 はやく行く野蛮な国の名は知らぬ比喩 2023/5/14

たんやはういらえもおとたそうもんもうそたとおもえらいうはやんた
短夜這う応えも音だ 相聞も嘘だと思え 雷雨は止んだ 2019/9/23

きこのこいろしてつたいなてたふくふたてないたつてしろいこのこき
綺語の恋 路地で伝い撫でた腹部 立てない 絶って白いこの呼気 2020/5/10

せかのひたおとうとはたつおおとへとおおつたはとうとおたひのかせ
背が伸びた弟は発つ大門へと 覆った波濤 遠旅の風 2019/12/15

ひはうすらはさくらゆめのみきはにはきみのめゆらくさはらすうはひ
火は薄ら 葉桜夢の汀には君の目揺らぐ 触らず奪ひ 2022/3/21

よるよなかあまよのかのんかみくだくみかんのかのよまあかなよるよ
夜夜中雨夜のカノン噛み砕く 未完の彼の世真赤な夜よ 2017/9/3

のきしけるさまにしききはきあふゆふあきはききしにまさるけしきの
軒茂る様 錦木は来合ふ夕 秋は聞きしに勝る景色の 2022/3/21

はかなのかうつろいめまいたたかうかたたいまめいろつうかのなかは
馬鹿なのか 移ろい眩暈戦うがただ今迷路通過の半ば 2021/1/24

たえきみのそうおのほうかひといこいとひかうほのおうそのみきえた
絶え気味の憎悪の方が酷い恋 飛び交う炎 嘘のみ消えた 2019/2/18

ためゆるすはたにくらくらうろたえたろうらくらくにたはするゆめた
だめ? 許す肌にくらくら 狼狽えた篭絡 楽に打破する夢だ 2024/6/6

いさたくとつもるたたしくとひたしたひとくしたたるもつとくたさい
いざ抱くと積もる 正しく飛び出した ひどく滴る もっとください 2024/5/16

るかはかくかきのえしおのみかをかをかみのおしえのきかくかはかる
ルカは書く禍機の得し丘の御架を彼を 神の教えの規格化図る 2017/9/3

ひくきとうとうすいのなかすかるよるかすかなのいすうとうときくひ
引く軌道 陶酔のなか縋る夜 かすかなノイズうとうと聴く日 2024/5/2

すかさすあたしはとけてしりふるえるふりしてけとはしたあすさかす
すかさずあたしは熔けて知り震えるふりして蹴飛ばした明日探す 2018/12/20

きとのこいなれまとうあしうつくしくつうしあうとまれないこのとき
企図の恋なれ 惑う足美しく通じ合う止まれないこの時 2019/7/22

はれわすかおんしつさりしはちがつがちはしりさつしんおかすわれは
晴れ僅か 温室去りし 八月が血走り、殺人犯す我は 2019/2/20

てほんてのみきてのいとうかたとるとたかうといのてきみのてんほて
手本での右手の移動かたどると他が疎いので君のテンポで 2018/11/8

はふくかとえこのあいたてなかいといかなてたいあのこえとかくふは
省く我とエゴの間で長い問い 奏でたいあの声と楽譜は 2023/6/8

とんてんてたいやかかかいかせうたうせかいかかかやいたてんてんと
曇天でダイヤが瓦解 風歌う世界が輝いた点々と 2021/11/18

すてのいたりしはくほすらこのさまさのこらすほくはしりたいのてす
素手の至りし薄暮すらこのざまさ 残らず僕は知りたいのです 2020/7/24

しんふるなとこうときたいかえんひんえかいたきとうことなるふんし
シンプルな怒号と機体 火炎瓶 描いた軌道 異なる分子 2024/7/16

のるえきにことはしすかにくすしたしすくにかすしはとこにきえるの
乗る駅に言葉/静かに崩した詩/すぐ逃がす/詩はどこに消えるの? 2024/7/15

かおるなつつみをみのかしいけるはるけいしかのみをみつつなるおか
薫る夏 罪を見逃し生ける春 形而下のみを見つつ鳴る丘 2018/7/15

もろきのうぬかるむねつかくろくやくろくかつねむるかぬうのきろも
脆き脳泥濘む熱が黒く焼く六月眠るカヌーの岐路も 2020/7/14

うそさくらいつからひとくらくはいはくらくとひらかついらくさそう
嘘・桜いつから酷く 落梅は暗く 扉が墜落誘う 2021/3/14

てきしすらさくはんおきたいわかんかわいたきおんはくさらすしきて
溺死すら昨晩起きた 違和感が湧いた 気温は腐らす時期で 2018/8/8

さいたけかいとしいなせたひとくなくとひたせないしといかけたいさ
差異だけが愛しい 何故だひどく泣く 飛び出せないし問い掛けたいさ 2022/3/3

はりかひにくすれたしからくさるはるさくらかしたれすくにひかりは
玻璃が火に崩れた 詩から腐る春 桜が枝垂れすぐに光は 2023/2/14

むえきにもなみはふつとひきゆしかしゆきひとつふはみなもにきえむ
無益にも波は吹っ飛び消ゆ しかし雪一粒は水面に消えむ 2019/12/15

きとのままのそてしすくかしたたつたたしかくすしてそのままのとき
帰途のままの袖 雫が滴った 確か崩してそのままの時 2019/12/15

しいつこうゆふるれつきとほてるよるてほときつれるふゆうこついし
シーツ乞う 揺ぶる れっきと火照る夜 手ほどき攣れる 浮遊後墜死 2018/8/6

かるくめをみようこんせのつなかりかなつのせんこうよみをめくるか
軽く目を見よう 今世の繋がりが夏の閃光 黄泉を巡るか 2024/7/11

るひいならまたまたいるわみきのてのきみわるいたまたまらないひる
「ルビーならまだまだ要るわ」右の手の気味悪い玉黙らない昼 2019/2/2

りかはりいかふんかはいるかあへらへあかるいはかんふかいりはかり
リカバリー 花粉が入るガーベラへ 明るい破顔 深入りばかり 2021/1/24

さいあくないたみかはしるしめいのいめしるしはかみたいなくあいさ
最悪な痛みが走る 自明の意 目印馬鹿みたいな具合さ 2020/11/3

たれふらすとうのめあてはかなしいしなかはてあめのいとすらふれた
誰降らす 問いの目当ては悲しい詩 半ばで雨の意図すら触れた 2023/6/15

はてみたれかわいいかさつみちのりのちみつさかいいわかれたみては
果て乱れ「可愛い」が雑 道のりの緻密さが良い 別れた身では 2021/2/13

よるかひくかあてんとけたきつかけかつきたけとんてあかくひかるよ
夜が引くカーテン溶けたきっかけが月だけ飛んで赤く光るよ 2023/6/15

ひんかんてついらくまてのこふんかんふこのてまくらいつてんかんひ
敏感で墜落までの五分間 不語の手枕一転甘美 2020/10/26

しらぬひときしのへのたかちをはれはをちかたのへのしきとひぬらし
不知火と岸の辺の田が地を張れば彼方野辺の鴫飛びぬらし 2018/9/11

わるいてきつまりかひんはいまてつてまいはんひかりまつきているわ
悪い敵? つまり花瓶は今照って毎晩光待つ気でいるわ 2023/6/8

このひきゆかはのとほむらたかくふくかたらむほとのはかゆきひのこ
この火消ゆ 河野と焔高く吹く 語らむほどの歯痒き火の粉 2018/2/19

なかいしかつむかれととくそのもしものそくととれかむつかしいかな
長い詩が紡がれ届く「その文字も除くとどれがむつかしいかな」 2024/3/24

いたいあすわかままのえこみたくなくたみこえのままかわすあいたい
痛い明日 わがままのエゴみたく泣く だみ声のまま交わす「会いたい」 2024/4/30

いやはかりきくのかことくかもためたもかくとこかのくきりかはやい
「嫌」ばかり聞くのが孤独、かも 駄目だ もがく 何処かの区切りが早い 2024/4/30

ようこいていつそうらなえたことなとこたえならうそついていこうよ
酔う恋で いっそ占えたことなど 答えなら嘘ついて行こうよ 2023/7/4

はつとひむそのしんかいてくつにひにつくていかんしのそむひとつは
発途秘む その深海で靴に火に付く定冠詞 望む一つは 2018/2/13

しおときさひゆたしすきてつかすあすかつてきすしたゆひさきとおし
潮時さ 比喩足しすぎて尽かす明日 かつてキスした指先遠し 2017/9/3

りようよくかあつくいたむよたたしいしたたよむたいくつあかくようより
両翼が熱く痛むよ正しい詩ただ読む 退屈 赤く酔うより 2021/7/11

とめたいかすきたつたうたなかくきくかなたうたつたきすかいためと
止めたいが好きだった歌長く聴く 彼方歌った傷が傷めど 2023/7/25

くやかかにひたるはかりかはなはなはなはかりかはるたひにかかやく
句や雅歌に浸るばかりか花々は名ばかり変はる旅に輝く 2022/3/21

みなといるけつてんはこのとおりありおとのこはんてつけるいとなみ
「皆と居る欠点はこのとおり有り」彼方の湖畔で告げる営み 2019/12/15

こいなのてへすとなのてすひようとうよひすてのなとすへてのないこ
恋なのでベストなのです《平等》 呼び捨ての名とすべての内語 2019/11/24

きとるしはきさむひいとのいきうはうきいのといひむさきはしるとき
気取る詩は刻むビートの意義奪う キーの問い秘む 先走る時 2018/12/19

たえかたくたいもをしいるないかくかいなるいしをもいたくたかえた
耐えがたく大喪を強いる内閣が いなる懿志をも甚く違えた 2018/10/22

きすかくふうこくひひすらなかはてはかならすひひくこうふくかすき
記す楽譜 動く日々すら半ばでは 必ず響く幸福が好き 2018/12/19

ばかなひとひひくむねうつきげきかきげきつうねむくひひとひなかば
馬鹿な人! 疼く胸打つ喜劇書き 劇通眠く日一日半ば 2017/9/3

なかしたいらいはるはたれもうとうとうもれたはるはいらいたしかな
泣かしたいライバルは誰 孟冬と埋もれた春は以来確かな 2019/3/15

たちつくすうもれたひにはいかないなかいはにひたれもうすくつちた
立ち尽くす 埋もれた火には行かないな 海波に浸れもうすぐ土だ 2021/2/13

むらくもよきつとめまいにひたるみるたひにいまめとつきよもくらむ
叢雲よきっと眩暈に浸る 見る度にいま目と月夜も眩む 2022/3/3

さるきみのそうたつかつてすきたつたきすてつかつたうそのみきるさ
去る君の争奪かつて好きだったキスで使った嘘のみ切るさ 2022/3/3

ていきさるこのはいとくはつけたしたけつはくといはのこるさきいて
定義去る この背徳は付け足した潔白? 問いは残るさ 聞いて 2024/5/15

かわいかるもつとはなのにいたいかいたいにのなはとつもるかいわか
可愛がる もっと花野に居たいかい 「第二の名は」と積もる会話が 2023/11/13

ていやくしたたみたいのてきみのひのみきてのいたみたたしくやいて
[定訳詩]ただ見たいので[君の火の]右手の痛み正しく焼いて 2024/7/10

ほしとんてあかるいてえまきわたつたわきまえているかあてんとしほ
星飛んで明るいテーマ際立った 弁えているカーテンと思慕 2021/11/18

とむらはんたゆたふまてのきみのそのみきのてまふたゆたんはらむと
弔はん 揺蕩ふまでの君のその右の手 目蓋油断孕むと 2021/10/17

みつはせうえきうらたちしとひらからひとしちたらうきえうせはつみ
水芭蕉駅裏立ちし扉から 人質だらう 消え失せば罪 2022/3/21

よくいのりもつたいないとさめてみてめさといないたつもりのいくよ
よく祈り勿体無いと醒めてみて目敏い 泣いたつもりの幾夜 2020/5/26

すなはまてたかれふてきたつきてつてきつたきてふれかたてまはなす
砂浜で抱かれ不出来だ月照って切った気で触れ片手間話す 2020/10/5

しとやかなよまいこというよふけたけふよういとこいまよなかやとし
淑やかな世迷言云う夜更けだけ 不用意と恋 真夜中宿し 2020/6/7

たえきはきつめたきててすきぬのぬのぬきすててきためつきはきえた
唾液吐き 冷たき手です 絹の布脱ぎ捨ててきた 鍍金は消えた 2020/5/27

かそこれかしほならはまりゆくだけだくゆりまはらなほしかれこそか
香ぞこれが思慕ならはまりゆくだけだ 燻りまばらな星 彼こそが 2020/5/11

よるもまつみひとつへあかふとたつたとふかあへつとひみつまもるよ
夜も待つ身一つ ペアがふと発った 飛ぶカーペット秘密守るよ 2021/11/18

つつみすらはさくらゆめのみきはにはきみのめゆらくさはらすみつつ
堤すら葉桜 夢の汀には君の目揺らぐ 触らず見つつ 2022/2/20

にけたはらくわえこむのたたまるよるまたたのむこえわくらはたけに
逃げた薔薇 咥え込むのだ黙る夜 また頼む声 病葉だけに 2021/4/12

かけたはらくわえこむさきりきてんてきりきさむこえわくらはたけか
欠けた薔薇 咥え込む先力点で切り刻む声 病葉だけか 2021/4/12

ていてつかなつすらさらうしろきゆきろしうらさらすつなかつていて
蹄鉄が夏すら攫う 白き雪 路地裏去らず繋がっていて 2021/2/22

しろくいていさみほつれたなはかりかはなたれつほみさいていくろし
白く居て 勇みほつれた名ばかりが放たれ蕾咲いていく路地 2021/2/13

よいなせかこうとうあめかしたたつたたしかめあうとうこかせないよ
宵 何故か講堂雨が滴った 確かめ合うと動かせないよ 2022/3/3

かみきるなうこかすはなかしたたつたたしかなはすかこうなるきみか
噛み切るな 動かす花が滴った 確かなはずがこうなる 君が、 2023/3/8

しんかとひやみもくふあをしろきつきろしをあふくもみやひとかんし
真価問ひ闇も喰ふ青白き月 路次を仰ぐも雅びと感じ 2022/2/11

ようかねてくたれわくせいおともしもとおいせくわれたくてねかうよ
八日寝て下れ惑星 音も詩も遠いぜ 喰われたくて願うよ 2023/7/25

ひるなととこまかしはなかすかるよるかすかなはしかまこととなるひ
昼などと誤魔化し花が縋る夜 かすかな恥が真となる日 2023/3/8

うかちたいかせからはなかたゆたつたゆたかなはらかせかいたちかう
穿ちたい風から花が揺蕩った 豊かな薔薇が世界だ 違う? 2023/3/8

かくさんけかてらかるるかひまはりはまひかるるからてかけんさくか
斯く懺悔がてら枯るるか向日葵は 間引かるるから手加減 昨夏 2022/3/21

ふくむにていつしかふちみまやかしかやまみちふかしついてにむくふ
服務にていつしか藤見まやかしか山道深し ついでに報ふ 2022/3/21

よいせいかすかるゆめあのひひきききひひのあめゆるかすかいせいよ
良い成果 縋る夢 あの響き聴き日々の雨揺るがす快晴よ 2024/5/6

さかとしはつきのふねてはいけないなけいはてねふのきつはしとかさ
冠と觜は月の船では行けないな 渓はデネブの切っ端と暈 2018/10/28

きついおととほうもないしなかくきくかなしいなもうほととおいつき
きつい音 途方も無いし長く聴く 悲しいなもう程遠い月 2019/12/1

とおくなのきつけきらほしはしるよるしはしほらきけつきのなくおと
遠くなの?気付け 綺羅星走る夜しばしほら聞け 月の泣く音 2019/11/23

かいせきゆはまによするしなみかせかみなしるすよにまはゆきせいか
皆是消ゆ 浜に寄する死 波風がみな記す夜にまばゆき星河 2019/7/20

ばらなんていがらすやつのまつろだろつまのつやすらがいてんならば
薔薇なんて居枯らす奴の末路だろ 妻の通夜すら外伝ならば 2018/12/25

いいかけたみききしたかをぬきたしたきぬをかたしききみたけかいい
言いかけた・見聞きした歌を抜き出した 衣を片敷き 君だけが良い 2018/5/11

かりとひるゆくはるみとりおこすみすこおりとみるはくゆるひとりか
雁と昼 行く春看取り 起こす水 氷と見るは燻る灯蛾 2018/5/10

しひさするくれのこるしろここうとうこころしるこのれくるすさひし
紫薇さする 暮れ残る白 弧光灯 心知るこのレグルス錆びし 2018/5/10

よのかくといなめとはりききあふきふあききりはとめないとくかのよ
夜の角度 否めど張りき来合ふ肌膚 秋霧歯止めない独臥の夜 2018/7/26

はつこいのみきはきゆともここしろしここもとゆきはきみのいこつは
初恋の御棺は消ゆとも午後白し 此許 雪は 君の遺骨は 2017/10/29

とおあるきかみあらうくたけつかのかつけたくうらあみかきるあおと
遠歩き 髪洗う管 月下の夏 点けたクーラー見限る青と 2018/7/16

うらきりかつうしたきりからくなわなくらかりきたしうつかりきらう
裏切りが通じた義理か楽な罠 暗がり来たしうっかり嫌う 2022/3/3

こかすこのいたみすらなくつきるはるきつくならすみたいのこすかこ
焦がすこの痛みすら無く尽きる春 きつく慣らすみたい 遺す過去 2022/2/6

よいあくますうにんかよふなまえさえまなふよかんにうすまくあいよ
良い悪魔 数人が呼ぶ名前さえ学ぶ予感に渦巻く愛よ 2022/3/3

くつすきにひたるめともとつきかけかきつともとめるたひにきすつく
靴 好きに浸る目 友と月影がきっと求めるたびに傷つく 2022/12/30

きこうなとすへてかなうよたたかせかたたようなかてへすとなうこき
稀覯などすべて叶うよ ただ風が漂う中でベストな動き 2021/11/18

かりいかのきせいあるしむきかかんかかきむしるあいせきのかいりか
狩り以下の犠牲≪アルシム≫ 飢餓感が掻き毟る 愛惜の懐裡が 2022/2/6

かたなありはやまるむねもしろくさくろしもねむるまやはりあなたか
片名有り 早まる胸も白く咲く 路地も眠る間やはり貴方が 2021/11/18

ふこはかりふれるくもしかうつくしくつうかしもくるれふりかはこふ
不語ばかり触れる雲路が美しく通過し潜るレプリカ運ぶ 2021/11/18

ふいなのたみなはみとれたゆひよめよひゆたれとみはなみたのないふ
不意なのだ 皆は見とれた指よ目よ 比喩足れど身は涙の内部 2019/8/18

ついつたうといをここのつかくたけたくかつのここをいとうたついつ
つい伝う問いを九つ書くだけだ 九月の午後を厭う脱逸 2019/3/14

みやくらくかないならちようとよいまいよとうよちらないなかくらくやみ
脈絡が無いなら丁度良い 毎夜問うよ散らない中暗く病み 2021/7/11

やすらくめをひらかなきやささるはるささやきなからひをめくらすや
安らぐ目を開かなきゃ刺さる春 囁きながら火を巡らすや 2019/9/1

くたいたまよいなしにけすあおきゆきおあすけにしないよまたいたく
砕いた 迷い無しに消す青き雪 お預けにしないよ また抱く 2021/2/22

なよなよとみきのいためはてあてしてあてはめたいのきみとよなよな
なよなよと幹の痛めば手当てして 当てはめたいの君と夜な夜な 2018/10/20

ひよくのしらすとのみかはききすこすききはかみのとすらしのくよひ
比翼の詩 ラストの三日は聞きすごす 危機は神の門すら凌ぐ夜火 2018/10/14

つたなきうそにきとくつけしおるよるおしけつくときにそうきなたつ
拙き嘘に既読付け霑る夜 怖気づく時にぞ浮名立つ 2018/10/6

すくしほむしにたいたけのねはなかなはねのけたいたにしむほしくす
すぐ萎む死にたいだけの寝端かな跳ね除け抱いた滲む星屑 2019/6/10

かきとめるむつむひとつねあかしたしかあねつとひむつむるめときか
書き留める睦む一つ寝明かした詩 「ガーネット秘む 瞑る目 時が」 2019/2/8

きえいるのしほすらぬくとわきてみてきわとくぬらすほしのるいえき
消え入るの 思慕すら脱ぐと傍で見て際どく濡らす星の涙液 2020/10/10

うそいえるゆきかうこんとたきへとへきたとんこうかきゆるえいそう
嘘言える 行き交う「今度滝へ飛べ」来た鈍行が消ゆる映像 2019/6/23

るひいたけつみをとうたしまたたいたたましたうとをみつけたいひる
ルビーだけ罪を淘汰し瞬いた 騙した烏兎を見つけたい昼 2019/2/2

さよなかはさあかのことくほしうたうしほくとこのかあさはかなよさ
小夜中はサーガの如く星歌う 紙墨と此の香 浅はかな世さ 2018/11/10

たしかめろいにしこいよりとおいあいおとりよいこしにいろめかした
確かめろ 往にし恋より遠い愛 踊り 宵越しに色めかした 2018/10/24

またみたれかこてしんかをみつめるめつみをかんしてこかれたみたま
また乱れ過去で心火を見つめる目 罪を感じて焦がれた御魂 2019/6/22

みのかすよのこるさくはんくいたうたいくんはくさるこのよすかのみ
見逃すよ 残る 昨晩悔いた歌 遺薫は腐る この縁のみ 2019/6/11

ふけさくらはしやいたつねになせかかせなにねつたいやしはらくさけふ
「吹け桜」はしゃいだ 常に何故か風 「なに?」熱帯夜しばらく叫ぶ 2020/12/30

ためしはりさくはふちとるこのかんかのこるとちふはくさりはしめた
試し貼り 柵は縁取るこの眼窩 残ると恥部は腐り始めた 2019/8/18

ゆきのひかたたしくゆりへつくさむさくつへりゆくしたたかひのきゆ
雪の日が正しく百合へ告ぐ 寒さ 靴減り行く死 戦ひの消ゆ 2019/8/17

ねむのしたわすれたかはんききすこすききんはかたれすわたしのむね
合歓の下忘れた鞄 聞き過ごす飢饉は語れず 私の胸 2019/8/13

よたんなくあそはせたときつれたわたれつきとたせはそあくなんたよ
余談なく遊ばせたとき釣れた腸 れっきと出せば粗悪なんだよ 2018/9/20

はなのみつのそむつしかせほふるはるふほせかしつむそのつみのなは
花の蜜望む辻風 屠る春 父母急かし摘む その罪の名は 2017/10/29

いきせきてうとんしるあいすうきなきうすいあるしんとうてきせきい
息急きて疎んじる愛 数奇な気 薄いアルシン 動的赤緯 2018/7/23

かせいさるくおんのかそうおおもともおおうそかのんおくるさいせか
火星去る 久遠の仮装 大本も大嘘カノン送る在世か 2017/10/29

しりあつたついのいとまてしあいのいあしてまといのいつたつありし
知り合った終の暇で私愛の意 足手まといの逸脱在りし 2018/7/26

かきはらうしろいかさはないきたえたきいなはさかいろしうらはきか
掻き払う 白い風花息絶えた 奇異な端境 路地裏は季夏 2018/7/23

はきとつたきせたえきかてつかのまのかつてかきえたせきたつときは
剥ぎ取った・着せた腋花で束の間の「嘗て」が消えた 急き立つ時は 2018/7/27

きばつなすとおあさてうくすうにんにうすくうてさあおとすなつばき
奇抜な洲 遠浅で浮く数人に疼く腕さあ落とすな椿 2017/10/29

さるかたいにすらしたかりたひたつたひたりかたしらすにいたかるさ
さる課題にずらしたがり旅立った 左肩知らずにいた軽さ 2021/4/18

いなかむらたやはきみかうおにこっこにおうかみきはやたらむかない
田舎村 他屋は君飼う 鬼ごっこ 臭うが右はやたら向かない 2019/8/13

のひふとるふけるよるてもひかるはるかひもてるよるけふるとふひの
野火太る 更ける夜でも光る春 蚊火も照る夜けぶる飛火野 2018/9/8

うかつからそよくふそうはとひのくのひとはうそふくよそらかつかう
穿つからそよぐ扶桑は飛び退くの 人は嘯く 夜空が番う 2018/9/4

のちのいきかわるさむかりはやしにしやはりかむさるわかきいのちの
後の息変わる 寒がり早死にし やはり神去る若き命の 2018/8/8

はしいるしうつりかよとみやむきてきむやみとよかりつうしるいしは
恥じ入る詞 移り香淀み 止む汽笛 無闇と善がり通じる意思は 2018/7/28

かまえたむさいはてあめのいとしろしといのめあてはいさむたえまか
構えた無 最果て雨のいと白し 問いの目当ては勇む絶え間か 2018/7/23

きんほのいせりかつさまのてはしこしはてのまさつかりせいのほんき
欣慕の意 競り勝つ様の手捷し 果ての摩擦が理性の本義 2018/7/22

とおつくにやこうおんかくかなうほうなかくかんおうこやにくつおと
遠つ国 夜行音楽適う方 永く感応 午夜に靴音 2018/12/16

そこなつたたたしきうそにきたれわれたきにそうきしたたたつなこそ
損なった正しき嘘に来たれ我 滝に想起し ただ立つ名こそ 2018/12/20

つみひかるこのけつしよくこうかんかうこくよしつけのこるかひみつ
罪光るこの月色 傲岸が動く夜 躾残るか秘密 2020/12/6

このそらはいのりたひかりおとのてのとおりかひたりのいはらそのこ
この空は祈りだ 光 音の出の通り黴びたり野茨その後 2021/4/18

みつるまそまいにちかすきしさしたしさしきすかちにいまそまるつみ
?る間ぞ 毎日が過ぎ示唆した死 刺し傷が血に今染まる罪 2018/10/20

のめしてはいさかいあきてこりてみてりこてきあいかさいはてしめの
のめしては諍い飽きて懲りてみて 利己的哀歌 最果て標野 2018/2/13

はいあるくついになみたつなかはとはかなつたみなにいつくるあいは
這い歩く ついに波立つ中波止場 叶った皆に何時来る愛は 2019/8/24

かはうなさいはていひつなつはきさきはつなつひいてはいさなうはか
庇うな 最果て 歪な椿咲き 初夏引いては誘う墓 2019/6/14

たてしまかすきしんかいとのひるはるひのといかんしきすかましてた
縦縞が過ぎジンカイト 伸びる春日の問い感じ傷が増してた 2019/2/10

あたすあいろしのうらたかかきくとくきかかたらうのしろいあすたあ
仇す愛 路地の裏だが掻き口説く 季夏語らうの 白いアスター 2019/1/13

すなはにはかならすゆるすきいろしろいきするゆすらなかはにはなす
砂場には必ず許す黄色白 息する桜桃 半ばに話す 2019/1/13

よわにのきしけくさかすもすこきあきこすもすかさくけしきのにわよ
夜半に軒 繁く探すも凄き秋 コスモスが咲く気色の庭よ 2018/12/30

はらなんてうそかしはなつひいろたろいひつなはしかそうてんならは
薔薇なんて嘘が為放つ緋色だろ 歪な恥が争点ならば 2018/12/25

てはしめたさみたれのみたかすとるとすかたみのれたみさためしはて
出始めた五月雨の見たカストルと姿見のレダ 見定めし果て 2018/11/11

きえのこるくかちのむしををかすきすかををしむのちかくるこのえき
消え残る陸路の虫を侵す疵 香を惜しむのち隠るこの益 2018/9/17

きゆれともひまなきなさけすしつみつしすけさなきなまひもとれゆき
消ゆれども暇なき情け数日満つ 静けさ無き名 舞ひ戻れ雪 2018/9/16

しほしらすさきをあらそふかうやうやうかふそらあをきさすらしほし
思慕知らず先を争ふ高揚や 浮かぶ空 青兆すらし星 2022/5/8

みそのきたうらはらさくやかかみのみかかやくさらはらうたきのそみ
溝の北 裏腹 昨夜 鏡のみ輝く さらば らうたき望み 2022/1/6

ふたいてんあふせはあはきたたりなりたたきはあはせふあんていたふ
不退転 逢瀬は淡き祟りなり ただ牙合はせ不安定堪ふ 2022/5/8

とりかはんをしふるゆかりうたかふかたうりかゆるふしをんはかりと
取り飼はん 教ふる縁疑ふが道理が緩ぶ 紫苑ばかりと 2022/3/21

きしなみまいかにかつはをさくりたりくさをはつかにかいまみなしき
来し波間如何にか石蕗を探りたり 草を僅かに垣間見為しき 2022/3/21

きみかをりかひてとめゆきかふりかかりふかきゆめとてひかりをかみき
君が檻買ひて尋め雪が降り掛かり深き夢とて光拝みき 2022/11/2

きつかれかゆふへもおよふとまやかやまとふよおもへふゆかれかつき
気疲れが夕べも及ぶ苫屋かや 惑ふ夜思へ冬枯れ被き 2021/5/5

よもすからふたかみやまのせかてりてかせのまやみかたふらかすもよ
夜もすがら二上山の瀬が照りて風の間闇が誑かすもよ 2018/10/24

みきつきてむきのあきのひさありなりあさひのきあのきむてきつきみ
神酒尽きて麦の秋の日然有りなり 朝日退きあの義務的月見 2018/10/20

つるわたれつもるほしくすとおきゆきおとすくしほるもつれたわるつ
鶴渡れ 積もる星屑 遠き雪 音すぐ絞る もつれたワルツ 2018/11/10

れつもはもひもとけたからよきるひるきよらかたけともひもはもつれ
列も場も紐解けたから過る昼 清らかだけど裳紐は縺れ 2018/9/8

としているかあてんときふくすすあすすくふきとんてあかるいてしと
閉じているカーテンと帰付崩す 明日すぐ吹き飛んで明るい弟子と 2021/7/18

なかくとあらふまにのふもおくとききとくおもふのにまふらあとくかな
永くドア ラフマニノフも置くと聞き疾く思ふのにマフラー解くかな 2021/5/5

くむをりのちみつなるしきなみたつたみなきしるなつみちのりをむく
酌む折の緻密なる式 波立った 見和ぎ知る夏 道のりを向く 2019/12/15

ひにあたれふらんこつけるいきれゆれきいるけつこんらふれたあにひ
日に当たれ 鞦韆告げる熱・揺れ 来居る結婚 ラブレターに火 2019/9/7

くてつしつみひらかなきやささるよるささやきなからひみつしつてく
苦鉄質 見開かなきゃ刺さる夜 囁きながら秘密知ってく 2019/9/1

かるはとすりかくはこはくなかきときかなくはこはくかりすとはるか
カルバドス・離角は琥珀 長き時 金具は琥珀 カリスト遥か 2019/2/10

つるむけんしはういとなるこのきせきのこるなというはしんけむるつ
交尾む原子は雨意となる この輝石 残るなと言う波心煙る津 2019/2/10

むまいかをいきるしまかけるりてつてりるけかましるきいをかいまむ
夢魔以下を生きる 島陰瑠璃照って リルケが混じる奇異を垣間む 2019/2/10

しうもおつかむるやとりきつはきのきはつきりとやるむかつおもうし
慈雨も落つ 被るヤドリギ椿の木 はっきりと遣る向つ嶺も憂し 2019/1/13

よはくこきかわへりもふしなかるよるかなしふもりへわかきこくはよ
余白濃き川べりも無事流る夜 悲しぶ森へ 若き扱葉よ 2019/1/10

かみのみやすうはいするもこみいるいみこもるすいはうすやみのみか
神の宮 崇拝するも込み入る意 身籠もる水波 薄闇のみが 2018/12/23

すしかきかのもすとさひたうこくほくこうたひさとすものかきかしす
筋書きがノモスと寂びた 動く僕 乞う度諭す物書きが死す 2018/12/20

よみのくにつけむわたくしけはたつたはけしくたわむけつにくのみよ
黄泉の国 告げむわたくし毛羽立った激しく撓む血肉の身よ 2018/12/19

すかるためよきしたわすかとおのそのおとかすわたしきよめたるかす
縋るため予期した僅か十の園 脅かすわたし清めたる火途 2018/12/19

すかすみをみきくさきひをまたうたうたまをひきさくきみをみすかす
透かす身を見聞く先火をまだ歌う 魂を引き裂く 君を見透かす 2018/12/18

えのしなふほにいつるもんえりしとしりえんもるついにほふなしのえ
枝の撓ふ穂に出づる文選りし年 梨園守る つい匂ふ梨の枝 2018/10/25

いほうなかにいはをやいてのこるしるこのていやをはいにかなうほい
違法な香 新葉を焼いて残る汁 この丁夜をば意に適う補遺 2018/10/25

のつたきさまつていたけとおとすれすとおとけたいてつまさきたつの
乗った象 待っていたけど訪れず 遠音卦体で爪先立つの 2018/10/20

むそのをりほいのあせはてすみつきつみすてはせあのいほりをのそむ
六十の折 布衣の褪せ果て墨付きつ 見捨て馳せあの庵を望む 2018/10/20

はありおくのこすいのちはふあたりたあふはちのいすこのくおりあは
羽蟻起く 残す命は不当たりだ 虻蜂ノイズ このクオリアは 2018/10/14

かわくまにふやてはかなくこうきしきうこくなかはてやふにまくわか
乾く間に文屋で儚く乞う儀式 動く半ばで藪に馬鍬か 2018/9/23

ゆくをしはにしへとあらくさきのよのきさくらあとへしにはしをくゆ
行く鴛鴦は西へと散去く先の世の黄桜跡へ死に恥を悔ゆ 2018/9/17

くにへたつゆふはなしろくひかりたりかひくろしなはふゆつたへにく
国隔つ木綿花白く光りたり 牙黒し菜は冬蔦へ逃ぐ 2018/9/17

きよそへはりをははかるみきゆるはるゆきみるかははをりはへそよき
奇装へば理を憚る身消ゆる春 行き廻る河は折り延へぞ良き 2018/9/17

あひせるしはちみつのことよさめなめさよとこのつみちはしるせひあ
浴びせる詞 蜂蜜の如 夜雨舐め 小夜床の罪 血走るセピア 2018/9/8

しうとのひのそんたはてにいてるはるていにてはたんそのひのとうし
慈雨と野火 望んだ果てに凍てる春 出居にて破綻 その日の凍死 2018/8/8

よてついてここらたしつはしもむつむもしはつしたらここていつてよ
夜で吐いて 此処等他日は死も睦む もし発したら此処で言ってよ 2018/7/28

はようなれなふるはなにはきかすみすかきはになはるふなれなうよは
葉よ唸れ 嬲る花には利かす水 片葉に隠る不慣れな雨余は 2018/7/28

うこをまつついすきというあさしちしさあういときすいつつまをこう
雨後を待つ つい好きと言う朝七時 さあ雨意と傷 いつ妻を恋う 2018/7/28

とつきするゆみすみたいなたいしうしいたないたみすみゆるすきつと
凸起する湯水みたいな大事憂し 甚泣いた水 見赦す きっと 2018/7/28

さいあくなにねんはいしてたうはるはうたてしいはんねになくあいさ
最悪な二念廃して賜ばるは転てし違反 音に泣く愛さ 2018/7/26

たよるけとくすふるゆめはひゆたつたゆひはめゆるふすくとけるよた
頼るけど燻ぶる夢は比喩だった 指嵌め緩ぶ 直ぐ溶ける与太 2018/7/23

なありきのたたとけついかむたなわなたむかいつけとたたのきりあな
名有りきの駄々と決意が無駄な罠 手向かい突けど唯の錐穴 2018/7/23

てつくめはいしいたんろとそなわるわなそとろんたいしいはめくつて
鉄組めば美しい暖炉と備わる和 謎と論題 思惟は巡って 2018/7/22

にはむすのさえさえとしてつふすはすふつてしとえさえさのすむはに
鈍む素の冴え冴えとして潰す蓮 仏弟子と会座 餌の棲む場に 2018/7/16

きわのはんあやのいろよきしおとおとおしきよろいのやあんはのわき
際の晩 綾の色良き 潮と音 惜しき鎧の夜暗は野分 2018/7/16

くゆれかこにしにすてはてついえたえいつてはてすにしにこかれゆく
燻れ過去 西に捨て果て潰えた絵 行って果てずに死に焦がれゆく 2018/6/7

みきくばさそうにしんしつかしくよくしかつしんしにうそさばくきみ
見聞く場さ。左右に真実 傾ぐ欲 四月真摯に嘘裁く君 2018/5/11

つじつまはめくりあわせのけさたつたさけのせわありくめはまつじつ
辻褄は巡り合わせの今朝だった 酒の世話有り 酌めば末日 2018/2/13

もうそうとやしもせんげのなやみのみやなのげんせもしやとうそうも
妄想と野次も懺悔の悩みのみ 嫌なの 現世も視野闘争も 2018/2/13

つちひきのむねくいそひくすなとめとなすくひそいくねむのきひちつ
槌引の胸株聳く砂留めと な掬ひそ 生く合歓の木漬ちつ 2018/2/13

ききもらすいあわせたつきちたひのひたちきつたせわあいすらもきき
聞き漏らす 居合わせた月 千度の非 断ち切った世話 愛すらも危機 2017/10/29

きまつたのつないたききがほくのものくほがききたいなつのたつまき
決まったの 繋いだ騏驥が僕のもの 駆歩が聞きたい夏の竜巻 2017/10/29

かふちいのみつくわいしろおれのこのれおろしいわくつみのいちふか
カプチーノ 水漬くY字路 俺のこのレオロジー湧く罪の一部が 2018/12/19

うやむやのあひみしきかんおわるよるわおんかきしみひあのやむやう
有耶無耶の逢ひ見し期間終わる夜 和音が軋みピアノ止む様 2018/11/15

いすかたへらしんあはかれおきしあしきおれかはあんしらへたかすい
何方へ裸身暴かれ起きし葦 気折れかパーン 調べた歌吹 2018/11/11

あとたつきめしたかみすらさくるよるくさらすみかたしめきつたとあ
足音立つ儀 召した神すら探る夜 腐らす御像 閉め切ったドア 2018/10/25

てとうぬきまとうはれいきうくはたはくうきいれはうとまきぬうとて
手套脱ぎ、纏うは冷気 浮く肌は空気入れ這う 籐巻縫うとて 2018/9/25

いしすれとちかいはいきるあよふいふよあるきいはいかちとれすしい
縊死すれど誓いは生きる 歩ぶ畏怖 夜歩き遺灰勝ち取れず徙移 2018/8/8

はいとなれたはかりたたれこのいかいのこれたたりかはたれなといは
灰となれ 謀り爛れ この遺骸 残れ 祟りが斑れな問いは 2018/8/8

はこふなかあまくとうとんりかくせくかりんとうとくまあかなふこは
運ぶ中 甘く逃遁 離隔急く 花梨尊く 真赤な不辜は 2018/7/23

つせとるすくろかみすすくかみのぬのみかくすすみかろくするとせつ
唾せど留守 黒髪濯ぐ神の布 見隠す住処 録する途絶 2018/7/23

いさよふしなかもひらたいつきのとのきついたらひもかなしふよさい
いさよふ指 中も平たい月の殿 気付いたら火も愛しぶ余罪 2018/7/16

にようこいあさねのたしつこかるひるかこつしたのねさあいこうよに
呻吟う恋 朝寝の多湿 焦がる昼 託つ舌の根 さあ行こう 夜に 2018/7/15

こいはのくはくくむははしはしれわれしはしははむくくはくのはいこ
恋は退く 育むは疾し 走れ我 しばしば歯向く琥珀の背後 2018/6/7

はなののものこれかすかにとのもやものとにかすかれこのもののなは
花の野も残れ 微かにどの靄も 祝詞逃がす彼 この者の名は 2018/6/7

はらかしかついはつきあうらくなわなくらうあきつはいつかしからは
薔薇か歯牙 終は付き合う 楽な罠 食らう秋つ葉 厳かし枯葉 2018/6/7

はらとみずいのつかくらくまなかにかなまくらくかつのいすみとらは
腹と水 胃の唾隠らく真中に餓 鈍九月 芒墨と騾馬 2018/6/7

はなすのはやかてしもきがくらきときらくがきもしてかやはのすなは
離すのはやがて下期が冥き時 落書きもして 茅場の砂は 2018/6/7

いとむこいおきつはくはのよせるよるせよのはくはつきおいこむとい
挑む恋 沖つ白波の寄せる夜 施与の爆発 競い込む問い 2018/5/10

としるきすきゆうのふりでたかるひるかたでりふのうゆきすきるしと
閉じる傷 杞憂のふりで集る蛭 偏照不能 行き過ぎる試図 2018/5/10

はいになるちおあきせきてきむかうかむきてきせきあおちるなにいは
灰になる 千百秋咳きて来向かう禍 無期的積痾 落ちるな新葉 2018/2/13

よるやみをははやかはしりたいうばういたりしはかやははをみやるよ
夜闇を羽羽矢が走り、胎奪う 至りし墓屋 母を見遣るよ 2017/9/3

くさもないれきこそはかやすたいまいたすやかはそこきれいなもさく
倶舎も無い礫こそ墓屋 図題舞い 足す夜蛾は其処 綺麗な模索 2018/6/7

くすこいきくかしかかいいのもしめしものいいかかしかくきいこすく
屈す小意気 陸路か怪異 野も湿し 物言いが課試 客気以後空く 2018/6/7

むひかうそのかすつしつまかつかいかつかまつしつすかのそうかひむ
夢寐か嘘 逃す辻褄 各界が栂松報す 彼の造化秘む 2018/6/7

れつもかいえしえかきなすかすむつむすかすなきかえしえいかもつれ
列も画意 絵師絵描き成す霞む舶 賺すな着替え 侍衛が縺れ 2018/6/7

いんなしさうすゆひならはらはつたつはらはらなひゆすうさしなんい
淫な視座 失す指ならば螺髪断つ ばらばらな比喩吸う 狭し難易 2018/6/7

のしのたなさいかうのしほみあかしかあみほしのうかいさなたのしの
野路の田菜 催花雨の思慕 御灯明か 網星の雨下 いざ灘の篠 2018/6/7

はうのされすくにのやつくいおえさえおいくつやのにくすれさのうは
這う野晒れ 直ぐ二の矢つぐ五百枝さえ 老い朽つ矢箆に崩れ左脳は 2018/6/7

しはにほやくいてまかうかくもすぐすもくかうかまていくやほにはし
芝に火屋 悔いて紛うか 雲過す ?ぐか羽化待て 行く弥帆に恥 2018/6/7

しばのあたおもいつらくもなかすたすかなもくらついもおたあのばし
死馬の徒 思い辛くも泣かず 足す金葎 ついモーター伸ばし 2018/6/7

わたやしまさめたいとわくにたつみつたにくわといためさましやたわ
海や島 冷めたいと沸く 煮立つ蜜 谷桑と居た目覚ましや撓 2018/6/7











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